胆振東部地震からの復旧予算案
札幌市議会議員吉岡弘子
2月6日で1年5カ月が経過した被災地では、2度目の春を待ちわびています。
地震復旧に26億円計上
胆振東部地震からの道路等復旧のために、26億8400万円(うち国庫負担金8億288万円)が札幌市の20年予算案に計上されました。
被害が最も激しかった清田区里塚中央地区の、国道36号線と旧道をつなぐ里塚21号線では、仮舗装や、水道、下水道工事などが済み、現在は「薬液圧入」の地盤改良工事が進められ、今年度中に道路の地盤改良工事が終わる予定です。
業者の数が限られていることで、建物の解体撤去は冬までかかりました。
清田区美しが丘地区と豊平区月寒東地区は、地下水位が高く液状化しやすいため、災害防止工事として地下水位を低下させるための暗きょ管を敷設します(8億100万円)。
札幌市で唯一「震度6」を観測した東区では地下鉄東豊線が通っている東15丁目・屯田通の舗装工事(4億9000万円)も始まっています。
里塚霊園隣接地区は、住民が独自に調査なども行って市に粘り強く働きかけてきました。
住民と札幌市との合意に時間がかかり、昨年暮れの住民説明会で、宅地より低い霊園緑地に地滑り防止のための押さえ盛り土をすることがようやく決まりました。
私たち共産党が求めた「見なし仮設住宅」の期限延長は、復旧工事の影響によって2年を過ぎてからも再建が間に合わない世帯などが住むことができるようになりました。
見なし仮設住宅分(市支出2800万円)も入れて予算のうち約3分の1は国庫負担金です。各地域の工事が最終的に終了するまではこれから2年はかかると言われています。
被災地支援、くらし、人権を
他の災害関連としては、「避難場所環境整備費」、小中学校300校の基幹避難所の備蓄物資を25品目から35品目、3食から6食に増やし、危機管理対策室には6億9000万円です。18年度4億1800万円の1.5倍となっています。
また「非常用自家発電整備費」として、札幌駅前通地下歩行空間(6億6200万円)、宿泊施設への補助(3億4000万円)、自閉症自立支援センター(360万円)が計上されました。
しかし個別でみると、1避難所に段ホールベッド(1台1~1.5万円)5台では全く充分ではありません。
18日からはじまる予算議会では、被災されたみなさんはじめ、市民の暮らし福祉・人権が守られる予算にするため力をつくします。
(2月7日記)