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みんなが笑顔で暮らせる街に 日本共産党札幌市議会議員 吉岡弘子

エッセイ「お元気ですか」

防災の日に

今日9月1日は防災の日。

1923年(大正12)の9月1日に発生した関東大震災は「天災」であると同時に、「朝鮮人虐殺」という「人災」でもありました。

「朝鮮人が井戸に毒薬を入れた」「朝鮮人が襲撃してくる」と、風評が広がって、内務省自体や新聞までもが追い打ちをかけます。

1910年に日本は朝鮮を併合。1919年に朝鮮で大規模な「3・1独立運動」が起きていました。

併合による優越感と、日本の労働者より低賃金で働く朝鮮人や中国人の労働者が急速に流入し、仕事を奪われるかもしれないという不安が、排外意識を高めたといわれます。

内閣府の中央防災会議専門調査会報告書『関東大震災【第2編】』(2008年)には、「官憲、被災者や周辺住民による殺傷行為が多数発生した。武器を持った多数者が非武装の少数者に暴行を加えたあげくに殺害するという虐殺という表現が妥当する例が多かった。殺傷の対象となったのは、朝鮮人が最も多かったが、中国人、内地人も少なからず被害にあった」「殺傷事件による犠牲者の正確な数は掴めないが、震災による死者数の1~数パーセントにあたり軽視できない」と記されました。

震災の2年後には治安維持法を制定。日本は戦時体制に突き進みます。

(9月1日記)

「清田区新聞」20年9月6日付より

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