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16年前の6月10日。食料品をいっぱい詰めた買い物袋を両手に下げ帰宅すると、娘に父の突然の死を知らされた。
享年79歳だった。
両親も姉の顔も知らずに育った父は、子ぼんのうで、しかられた記憶がほとんどない。
食事中「おなかがきつくなった」と私が言えば、「もったいないから食べなさい」ではなく、「無理して食べたら腹をこわすからもうやめれ」と言った。
おおきな病気はなかったが、晩年月寒の勤医協に通院していて私が送迎をしていた。帰りはちょうど昼どき、何度か「そばを食っていかねえか」と言われたが、いつも時間がなく「今度ね」と言い続け、とうとう一度もいかずじまいだった。
先日、大曲の実家で17回忌をした。母や姉家族と夫の総勢八人。姪の五歳の娘がひとりで場を盛り上げ和ませてくれた。母は「これで安心した。」と安堵の笑顔をみせた。
87歳の母との年に1度の一泊旅行、「今年もまた行こうね」と話してきた。
(5月27日記)
「清田区新聞」09年05月31日付より