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日本共産党
清田区市政相談室
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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

休漁

岬に赤旗があがったら出漁、白旗なら休漁。稚内市声問(こえとい)で漁師をしていた、祖父母宅ですごした小6の夏休みは旗の色をきくことから始まりました。

漁のあった朝は、私たち子どもも仕事です。

コンブが山盛りにつまれた舟が浜にもどってくるや、女たちの手によってコンブはすばやく石ころの上に並べられます。包丁で根を切るのが私たちの仕事で、サクッ、サクッとした感触が今も右手に残っています。

一度、祖父とふたりだけで早朝磯舟にのり、網を引きに行きましたが、その時のウニの甘さとおいしさは、遠く離れて住んでいた祖父との一番の思い出です。

7月15日、全国の漁師たちが、20万隻の船が休漁し、無策の政府に怒りを突きつけました。異常な原油高は、このわずか半年間で1・7倍、5年間で3倍にも急騰。「もはや省エネ操業などの個人の努力の限界をこえている」「政府はこの状況を放置するのか」と、断腸の思いで休漁に踏みきった漁師たちの怒りが日本全土を走りました。

自衛隊のイージス艦に衝突され千葉沖からいまだに帰ってこない吉清さん親子の仲間の漁師たち、長崎県諫早湾干拓の被害を受け裁判闘争中の漁師たちは、さらに何重もの怒りでこの日を迎えたに違いありません。

「もうおいどんたちには時間はなかっ」の声にこたえて、政府が直接支援、緊急支援を真正面から打ち出さずして何の解決がありましょうか。

(7月16日記)

「清田区新聞」08年07月20日付より