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75歳から56歳までの個性溢れる7人の方の語る自分史は、それぞれが味わい深いものでした。お茶とお菓子などもまん中において話が弾みました。年金者組合清田支部の会合でのことです。
道南鹿部鉱山の飯たきの仕事に中学校卒業とともに就いたMさんが1度だけ寝過ごし朝食を用意できなかった時、みんなが「1回ぐらい食べなくても大丈夫だ。」と言って仕事に出たそうです。「労働者ってあったかいなあ」と身にしみて思ったのが後に全医労注1中央書記長を努めたMさんの活動の原点だと知りました。
実は私も似たような経験があります。小学5年のときでした。飯場の飯たきをしていた母が現場の仕事で帰りが遅かった日のこと。気をきかせ、文化鍋で炊いたご飯は正真正銘のメッコごはん……注2。困っていた私の前で「うまい、うまいよ」と言って食べてくれた日雇いのおじさんたちの優しさは忘れられません。
思い出したら気持ちがほっかりと暖かくなる出会いは人生の宝のようなもの。
清田支部執行部の「7人の侍」(ごめんなさいおひとりは女性です)は時に少年の顔で時に青年の表情で過去を未来を、今を語りました。書記長のYさんがぽつりと語りました。「生活出来る年金保証があれば、才能を発揮できる」。そんな社会にむかって、「楽しさ7分活動3分」を合言葉に前進する先輩たちはたのもしいかぎりです。
「清田区新聞」07年10月28日付より
注1 全医労:全日本国立医療労働組合。国立病院機構、国立高度専門医療センター、国立ハンセン病療養所の医師、看護師、医療技術者をはじめすべての部門の職員が加入している労働組合。
注2 メッコごはん(=めっこめし):水の量や火加減を誤ってうまく炊けず、芯が残っているごはんのこと(東北・北海道の方言)。