ページタイトル「清流だより」日本共産党吉岡弘子のホームページ
みんなが笑顔で暮らせる街に 日本共産党札幌市議会議員 吉岡弘子

エッセイ「お元気ですか」

母の初盆

母が亡くなって半年、「初盆」の法要に姉とともに参列しました。

28年前に他界した父は、天理教の信者だった老夫婦に幼い命を助けられ、育てられた恩義から、実家には天理教の祭壇らしきものがありました。

生前、父から、父の死後は母の好きな宗教にしていいと言われていたことから、母は母の実家と同じ禅宗のお寺さんを選びました。

初盆の法要は、昨年の8月から今年の7月まで亡くなった方が対象で30数人の遺族が参加していました。

30分の時間を、川が流れるように淀みなく話す住職さん。

「形にはそれぞれ意味がある」という法話を聴けば、背中を曲げるわけにはいかず、座禅のように背筋を正した80分。

姉と二人で、晩年までお寺の春・秋の特別参拝に通った母が、どんな思いで通い、法話を聴いていたのかを思いめぐらした時間でもありました。

最近終了したホスピスが舞台のテレビドラマ「ライオンのおやつ」では、ヒロインの亡き母が「生きているのは五感を感じること」だと言いました。

2年程前、叔母のお通夜でお経が終わるのが待ちきれず、私に何度も何度も会食を催促し、ようやくありつけたときの、お寿司を美味しそうにほおばった母の顔が浮かんできます。

(8月17日 記)

「清田区新聞」21年8月22日付より

PAGETOP