「魚を食べる時は片方を食べたあと、ひっくり返して食べるようなことをするな。舟がひっくり返ったら困るから」――漁師の元に生まれ、自身も若い頃稚内で漁師をしていた父親(私の叔父)から言われたことを、いとこは懐かしそうに話していました。
先日あった叔父の一周忌でのことです。
母は兄弟姉妹12人の一番上、叔父は3番目で1926年(大正15年)生まれです。
中学1年の4月から12月までの9カ月、両親が網走の建築現場で仕事をするため、私は東区の叔父の家でお世話になりました。
叔父も建築現場で働いていましたが、独学で書道の段位をとるなど、一生勉強に励んでいた寡黙で信仰心の厚い叔父でした。
清田区に住んでいる叔母は82才。最近脳梗塞を患い、健康と体力の不安から、サービス付きの高齢者住宅に転居したこともあり、母や姉と叔母の顔を見にいきました。
本人も家族も安心したのですが、転居してから食欲がなくなって寝てばかりいるといいます。
「新しい環境に早く慣れて、友達もできればいいね。そのためにもデイサービスには行ったほうがいいよ」と話すと「そうだね」と言っていましたが、どうしているかとふと頭をよぎるのです。
(12月6日記)