「月並みですが今までありがとう。そしていつもありがとう…」結婚披露宴のテーブルに置かれたカードに書かれた長男Yの文字を一文字一文字目で追っていると、文字がかすんで見えてきました…。
Yが生後まもなくの頃、オギャと泣くと、私はすぐに飛んでいってだっこするものですから、すっかり足元を見られたのでしょう。朝から夕方までだっこした日もありました。
母乳の出が悪いのに「母乳で育てないと」という強迫観念があって、一カ月検診は生まれた時より体重が減ってしまったり…。
授乳、離乳食、睡眠、排便…初めての子育ては、想像を絶する大仕事、失敗の繰り返しの毎日でした。
新婦人の会で、赤ちゃんサークルができて、どれだけ救われたことか――。
小学校に入ってからは家事の分担をし、毎朝6人分の目玉焼きづくり。
中体連800メートル走の応援に行った時。疲労骨折のため入賞を逃し悔し涙をぬぐっていた息子を遠くからみました。久しぶりの泣き顔でした。
高校受験から解放されたとたん、おしゃべりになった息子をみて、受験の精神的負担の重さに改めて気づかされました。
月並みですが、生まれてくれてありがとう――これが母の贈る言葉かな――
(11月23日記)