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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

映画『リンカーン』を観て

連休最終日の6日、映画を観に行きました。 

朝の8時に家を出て、『リンカーン』と、ダスティンホフマンの初監督作品『カルテット』の2本を観て4時半頃帰宅しました。

リンカーンは、「奴隷解放の父」といわれ、また最も愛されたアメリカの大統領としてしられていますが、映画の殆どは「合衆国憲法修正13条(奴隷制の禁止)」を合衆国下院で可決されるまでの、過程と苦悩が描かれていました。

アメリカの憲法改正は、国会の上院下院で3分の2、さらに4分の3の州議会の批准が必要で、当時の36州のうち28州が批准した瞬間に「憲法修正が発効」されたのです。

「奴隷制禁止」に賛成する議員を3分の2確保することが、どれほど困難だったのかは、唯一批准していなかったミシシッピー州が、この映画の影響で、今年の2月に、ようやく合衆国憲法修正13条を批准したことからもわかります。

憲法の重さを納得させる映画でした。

長嶋茂雄、松井秀喜両氏の国民栄誉賞授与のイベントで安倍首相の着ていたユニフオームの背番号「96」は「第96代総理大臣だから」だそうですが、彼が改悪しようとしている憲法96条を連想してしまいます。

それにしても、安倍首相の何と軽いことか――。

(05月08日記)

「清田区新聞」13年05月12日付より