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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

「命ある限り生き抜きたい」

20日放送のテレビ番組、NHKスペシャル〝老人漂流社会〟は衝撃でした。

現在一人暮らしの高齢者は500万人を超え、住まいをなくし〝死に場所〟を求めて漂流する老人が溢れる異常な事態がすでに起きている――。

ある80代男性は特養老人ホームが3年待ちの状態で、3カ月に4カ所のショートスティをたらい回しされました。

元配管工の方は無料低額宿泊所に落ち着き、妻の墓参りの後他界しますが、亡くなってようやく脳梗塞で半身不随で施設に入居している息子さんに会えました。

重度の認知症の80代女性は、症状が重くなり自活している娘さんとの同居から、往復3時間かかる遠くの施設しか見つかりませんでした。

そこには生活保護や介護施設の問題など、社会保障が軽んじられる下で、人間がまるで物のように扱われ、人間としての尊厳が奪われている現実が根深く横たわっています。

このような現実を見ることは辛いことですが、目を避けて通ることは許されません。

目をそむけることは、その現実を認めてしまうことにつながります。

厚生省研究所推計では、2035年には一人暮らし世帯が37.2%まで拡大するとされています。

前述の80代男性は、不足分を生活保護で補って民間の介護施設に入居。延命治療をどうしますか? と問われて「命ある限り生き抜きたい」と小さいけれどはっきりとした口調で応えました。

この意思に応えることが社会保障の原点ではないかと思います。

(01月23日記)

「清田区新聞」13年01月27日付より