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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

青年の涙

先日、清田区9条の会連絡会の主催で「アレンネルソンさんをしのぶ会」を催しました。

アレンネルソンさんは、1965年、貧しさゆえに高校を中退後、18歳でアメリカ海兵隊に入隊し、ベトナム戦争を体験しました。

ベトナムの村を攻撃したとき、防空壕に飛び込むと、荒い息づかいで女性が苦しんでいました。

女性がひときわ強くいきんだとたん、とっさに差し出したアレンの手のひらに落ちたのは湯気のたちのぼった赤ん坊でした。

それからです。ベトナムの人を人とも思わず、殺す事だけを徹底的に教育され実践していたアレンが変化し、苦しみました。

アレンさんは戦争後遺症と闘う長い日々を経て、日本を拠点に平和活動に身を捧げますが、2009年3月26日、アメリカで61年の生涯を終えました。

遺骨は石川県のお寺に納骨されています。

アメリカに納骨せず、なぜ日本なのか?

影山あさ子さん持参の映像が衝撃的です。

米海兵隊の新兵訓練所(ブートキャンプ)に到着したばかりの隊員たちはそこで全ての人格や個性を捨てなければなりません。服従が全てです。

隊員は丸坊主にされます。

バリカンが容赦なく青年の頭髪を刈り込んだそのとき、少年の面影をのこしている青年の瞳から、ひとすじの涙が流れました――。

戦争をし続け、貧困、暴力、人種差別の国、アメリカの一つの顔がそこにありました。

「わかるか? 日本の子どもたちの顔はアメリカ人の子どもたちの顔と違うんだ。戦争をしていない国の子どもたちの顔だ」「戦争をしない国の歴史を続けてほしい」――アレンさんの声が聞こえます。

(7月25日記)

「清田区新聞」12年07月29日付より