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日本共産党
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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

再びNHKスペシャル「ワーキングプア」をみて

青年の笑顔が悲しくて涙が出ました。

「これで8冊目。だから400円。これで今日は大丈夫。よかった。よかった」とカメラに向って何度も笑顔を見せました。NHKスペシャル「ワーキングプアⅠ&Ⅱ」のひとコマ。

青年は30歳を過ぎるとアルバイトもなくなり、拾った雑誌を1冊50円で売り、路上生活をしています。将来の希望は、と問われると、「望んでも無理だから最近は思わないようにしている」と遠くを見つめました。

「貧困層は今後多数派になっていく」「働いてもこんなに貧しいのは日本の生産力水準ではおかしい」「国民を大切にしない国に未来はない」などのコメントが専門家から寄せられました。

母子家庭、父子家庭、自営業者、農家、若者、高齢者――。画面の向こうには、働いても働いても報われない理不尽な社会で精いっぱいの努力をしている人たちが悔し涙をにじませていました。

人間の尊厳を踏みつぶした政治をしながら口先では「希望、安心、生活第一」などと平気でとなえる政治家たち。その一方でもうけをためこみ巨大化する大企業。

貧困と格差の社会、若者に希望のない社会の果てには戦争という闇が大きな口をあけて待っています。

「人間はしあわせになるために生まれてきたんだよ」という言葉が空々しくない社会がわたしたちのものになるよう頑張らなくてはとの思いをあらたにしました。

(07年12月10日記)

「清田区新聞」07年12月16日付より