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12月10日夜の番組では、7月に放映したあと全国から寄せられた1400通の投書をもとに、母子家庭のお母さん、若者、高齢者、業者の方などが登場しました。
母子家庭のお母さんは、小学生の男の子2人と3人暮らし。昼と夜働いて18万円の月収で、食費などに残るのはわずか2万円。それでも暮らせるのは月4万円の児童扶養手当があるからですが、2年後にはこの命綱の手当が半分になります。国は報酬の高い仕事に就けるよう援助するといいますが、ギリギリの生活をしているこの方に免許をとる間の生活保障がないので、何の役にもたちません。「子どもが大きくなる10年後まで働き続けます。大丈夫でなくても、体がボロボロになっても……」。
高校卒業後専門学校で学びソフト会社の正社員として働くことが夢だった23才の女性は、高校卒業を前にお父さんが病に倒れ、姉さんと2人で家計を維持。少しでも収入を多くしたいと調理師の免許をとったが、時給が10円上がっただけ。人口2千人の町に働き先は他にありません。「がんばってもがんばってもそこにたどりつけない人を『負け犬』というなら、ひどい話……」と語ります。
キャスターの方が最後に、「投書が1400通もきたのは初めての経験です。ワーキングプアは一部の人の問題ではありません。病気、離婚、高齢などを機会に誰でもなりうるのです。この現実をしっかり受けとめたい」と結びました。
国民をワーキングプアに陥れ、その上に大企業や大金持ちがのさばる日本のしくみを変えなければ―の思いを強くした番組でした。
「清田区新聞」06年12月17日付より