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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

「出生率1.34」に思う

暖かな陽射しが続いたかとおもえば、淡雪が舞ったり冷たい風雨が吹き荒れたりと、四季が代わる代わる気まぐれに訪れては去っていく、そんな4月も後わずかです。

先日政府が決定した「2009年版少子化社会白書」によると合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に生む子どもの数)が1.34だったそうです。前年より微増とはいえ長期に人口が安定的に維持される水準(2.1前後)を大きく下回っています。30代前半では 男性の5割、女性の3割が未婚となっており「晩婚化晩産化」をその原因としてあげています。

しかしなぜそうなっているかについて政府は踏み込んでいません。若い世代の「派遣切り」や内定取り消し、就職状況の悪化、貧困家庭の増加に加え保育所の不足、高い教育費など子どもを生み育てるうえでの課題は山積みです。

24歳の母子家庭のあるお母さん、2歳のこどもが保育所に入所できなくて困っています。5月1日からの仕事が決まったのに――。

(4月22日記)

「清田区新聞」09年04月26日付より