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物議をかもしたあの映画『靖国』を観てきました。
戦後60年の終戦記念日、8月15日の靖国神社にはどこからともなく様々な人たちがやってくる。
日の丸を高々と掲げ「英霊の御霊よ、安らかに眠りたまえ」ととなえながら進む老人。声高にさけぶ軍服姿の若者。海軍の格好でラッパを吹く人。まるで六十数年前の亡霊がむくりとおき上がり、そこにいるような、異様な目つきの人たちが映って「天皇陛下万歳! 」などと叫んでいる。神社の外苑では「支那中共がでっちあげた史上最大の歴史偽造、南京大虐殺を否定する」署名運動をしている人たち。
そんな、8月15日の奇妙な祝祭的空間の靖国神社に、元小泉首相と石原都知事が参拝する姿もカメラは追っています。
日本政府を代表する首相と首都東京の知事があの亡霊のような人たちと同じ空間に息づいていることを映画は静かに、しかし怯まずに伝えてきます。
二度とくり返してはいけない8月15日が、今年ももうすぐやってきます。
(8月5日記)
「清田区新聞」08年08月10日、17日付合併号より