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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

母に付き添い病院に

母に付き添って、ほぼ一日がかりで病院に行って来ました。

母は右足の付け根に人工骨を入れて11年になりますが、はじめて我慢できない痛みに悩まされました。

再手術の心配をしていたようですが、どうやら人工骨には異常はなく、座骨神経痛の疑いが濃厚ということで、再検査の予約をしてきました。

母は楽しみにしていた老人クラブの一泊温泉旅行をあきらめざるをえませんでした。

でも、再手術ともなれば、長期入院は必至ですから、そうではなくて、胸をなでおろしたところです。

それにつけても、待ち時間が長い。患者は多いのにお医者さんが少ない。

病院は病人が行くところですから、本来、もっとゆったりと診察なり検査なりができるべきです。そんな環境になってほしいと思います。

日本の医療の貧しさの一端を感じた一日でした。

おかしいこともありました。

担当医が病状について、ていねいにに説明したときのことです。

説明を最後まできいた母が「それでどうして痛いんですか」といいました。

先生はていねいに説明をしてはいるのですが、詳しく言えば言うほど母には理解が困難だったようです。

街頭演説も「いかに、言いたいことを相手に伝えるか」が問われます。

母に付き添い、あれこれ感じた一日でした。

(7月28日記)

「清田区新聞」10年08月01日付より