エッセイ「お元気ですか」
時給63円
「私はコメは買ったことがない。支援者の方々がたくさんコメをくださり、売るほどある」と発言し国民の怒りをかって、江藤農林水産大臣が辞任したのは当然と言えます。
ところが、後継の小泉進次郎氏は「どんな手を使っても価格を抑制する」「備蓄米、残りの30万トン全部使ってもいいと思っている」などと、さっそく、無責任な発言をしています。何という軽さでしょうか。
農水省は3月28日、2023年度の「農業経営統計調査」の確報を公表しました。それによると、家族農業の米農家の平均では、作付け2.2ヘクタール、年間の農業粗収入は319万6千円、経営費は314万5千円で農業所得は、何と5万1千円。家族労働時間807時間で割ると、米農家の時給は、な、な、何と「63円」となっています。こんなことが続けられたら、お米を作る人はいなくなってしまいます。
現に、北海道は2015年に10万3,900人だった農業生産者は24年には6万9,000人と10年間で3割以上激減しています。そんな中でも、この時期、田植えは真っ盛りで、5月中には多くの地域で田植えが終わる見込みといいます。
減反政策はやめて、38%しかない食料自給率を50%に引き上げましょう。
(2025年5月27日 記)