エッセイ「お元気ですか」
雪まつりの或る日
今年のさっぽろ雪まつりも今日で最終日、市議団控室で議会準備に追われています。
数日前の夕方のこと、何時ものようにテレビ塔近くのエレベーターに着くと、先着の若者が立っていたので、私も近くに並びましたが、見るとエレベーターの押しボタンが押されていません。
私は若者の前に出て、「押しますねー」と言いながらボタンを押すと、若者は「あ、すみません…いま生まれて初めて告白してきました」と言います。「勇気を出したんですね」と言うと「はい」と力なく答え、「告白したけれど、返事を聞く前にスマホ(の電池)が切れてしまったんです。もうこれから告白することはないと思います…」という若者に「そんなことはないと思いますよー」と声を掛けて、エレベーターを出て地下鉄に向かいました。
「おー青春だ」とほっこりした気持ちになったのは、私が年を取ったせいかなと思いながら。
雪まつりと言えば、特設の雪の長い滑り台目当てに、幼かった子どもたちと真駒内会場に行ったこと、年老いた母を連れて、車いすで大通り会場の雪像を見て歩いたことを思い出します。
もう数十年前のこと。
今年は新しいエピソードが一つ加わりました。がんばれ、若者!
(2025年2月11日 記)