Since 2007/03/08
上映期間が終わりそうだったので、夕べ車を走らせ、映画を観にいきました。
原作は昨年本屋大賞を受賞した三浦しおんの「舟を編む」で、同じタイトルの映画です。
舞台は辞書づくりに取り組む大手出版社の編集部です。
新しい辞書づくりの奮闘ぶりが描かれ、主人公のまじめぶりがおかしく、登場人物が魅力的で、133分という長さを感じさせませんでした。
私にとって、辞書は小学校から高校まで使い、身近な存在でしたが、最近はケータイで調べることが多くなっています。
映画の中で、加藤剛の扮する松本先生が、「君、『右』という言葉の定義はなんですか?」と、問いかける場面がありました。
ときには若ものが集まるハンバーグ店に「若ものの新しい言葉」を探しに行き、怪しまれながら、何百万という膨大な言葉を収集し、「新しい辞書」が完成しました。
言葉の大海原に漂う舟造り。
辞書作り15年の歳月はとてつもなく長く、根気のいる作業だと思いましたが、私たちの活動も同じかもしれません。
ある日の道新のコラム欄に、「維新の会の綱領は、言葉を『凶器』にしている。言葉を凶器にしてはならない」と、書いてありましたが、言葉を凶器にした先にあるのは、不幸や災い・争いではないでしょうか。
言葉は本来の役割どおり、人と人をつなぐものでありたいものです。
生涯忘れることのできない、彼女たちとの出会いでした。
(04月24日記)
「清田区新聞」13年04月28日付より