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国立がんセンター院長の西尾正道先生は定年退官を迎える3月を前にして、有給休暇をとって年金者組合の学習会に来てくれました。
2時間びっしり、時々は立ち上がりながらの情熱的な講演で、「ベクレル」とか「シーベルト」と聞くだけで、心の中で苦手意識がおきる私ですが、「拒否反応」に負けてはいられないなと痛感させられた刺激的な学習会でした。
チェルノブイリ以降、「現実の現象」を正視し分析することが原点であるはずの「科学」が、都合のいい「物語」をつくり国際的な規模で普及する中で、内部被曝や遺伝的影響の恐ろしさを見えないものにしています。
よく言われる「原子力村」「ペンタゴン」を西尾先生は痛烈に「国際マフィア」とよびました。
福島では年20ミリシーベルト未満の地域が居住可能ですが、時間にすると2.28マイクロシーベルトで、病院内の放射線管理区域の3.8倍にもなるというのです。
病院内の放射線管理室は18歳未満は働けませんし、飲み食いもできません。
こんな危険な場所に未だに子どもたちが住んでいるのが福島の現実です、と――。
原発労働者の実態、除染の問題、食品基準緩和、北海道の「ガン死亡率」の衝撃。
日本人の「鵜呑み度」は世界一だと先生は言われましたが、「原発はいらない」という声は今も多数者です。
「3年先5年先の経済のために原発は再稼働だ」という経済界にはだまされません。
(02月20日記)
「清田区新聞」13年02月24日付より