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「…私は、この内閣の先頭に立ち、一人ひとりの国民の声に、心の叫びに、真摯に耳を澄まします。『正心誠意』、行動します。ただ国民のためを思い、目の前の危機の克服と宿年の課題の解決のために、愚直に一歩一歩、粘り強く、全力で取り組んでいく覚悟です。…」
このあと理解と協力をお願いして、締めくくられた野田佳彦首相の所信表明。
国の財政危機をあおった上で、何をするかといえば、大企業には、2兆円もの大盤振る舞いをする「新成長戦略」。
国民には、消費税の大幅引き上げを押しつける「社会保障・税一体改革」。
原発問題では、「『脱原発』と『推進』という二項対立でとらえるのは不毛」、(安全生を検証確認したら)「再稼働を進める」。
「『農業は国の本なり』との発想は今も生きています」といいながら、農業も地域経済も破壊する、TPPは「早期に結論を出す」と――。
沖縄普天間基地は「日米合意を踏まえつつ…沖縄の皆様に…理解を求めながら、全力で取り組む」。
口で何といおうと、やる中身を見たら、野田首相が、耳を澄ましてきくのは「アメリカ」と「財界」の声だけでしょう。
「国民」を「財界とアメリカ」に置き換えると、納得です。
政治家ほど、言葉をごまかしの手段にしている人はいない、とつくづく思います。
言葉をもてあそび、国民を愚弄する所信表明を読んだら、また腹が立ってきた野田――。
(9月14日記)
「清田区新聞」11年09月18日付より