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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

還暦の夏

大正生まれの両親はおよそ旅行など縁のない人生を歩んできました。

母が還暦の年、姉と2人で、両親に沖縄旅行をプレゼントしました。

旅費と同じぐらいかかったのではないかと思うぐらい、いかにも嬉しそうに、お土産をどっさり買ってきてくれました。

あれから30年、とうとう私が還暦を迎える番になりました。

今年の夏は、3男が東京の大学に入学して以来初めての帰省をしました。

8月16日の朝、「あっ、忘れていた!」と言って、ごそごそとかばんから出したのは、4センチ角ほどの透明の箱に入った深紅のバラの置物。「誕生日おめでとう。きのう渡すのを忘れていた」と私の手のひらにのせました。

3男が大学の合宿所に発って4日後、北海道マラソンに出る次男の応援のため、お嫁さんのMさんが来て、我が家に3泊しました。

Mさんは、上の3人の子どもたちからのプレゼントを代表して持ってきてくれました。

見る角度で微妙に色が変化するエメラルド色のコーヒーカップ、Mさんが一目惚れしたコーヒーカップです。

私も一目惚れしました!

還暦を迎えて嬉しいことのひとつが、映画がいつでも1000円で観られることです。

誕生日の翌日、早速映画館に走りました。

99歳の映画監督、新藤兼人さんの新作「一枚のはがき」を観ました。

還暦なんて、まだまだ人生の途中だ。序の口だ――。

おかあさんの「弱い者いじめはするな」を生涯の範として貫いた村岡さんの志を受け止め、私もがんばろうと思います。

(8月31日記)

「清田区新聞」11年09月04日付より