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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

映画『おとうと』を観て

吉永小百合と笑福亭鶴瓶による、異色の組み合わせに、やや期待して、映画『おとうと』を観に行きました。

芸人まがいの弟・鉄郎が人生の果てにたどり着いたのは、ホスピス「みどりのいえ」。

孤独死をしてもおかしくない鉄郎が、「てっちゃん」とみんなに呼ばれ「幸せな死」を迎えられました。映画の中だけのユートピアではなく、東京都台東区に実在する、身よりのない人を受け入れる民間のホスピス「きぼうのいえ」がモデルになっています。

認知症と思われる姑との、微妙な緊張を伴った距離感が一気に縮まるラストが、見事でした。

優秀な姉と鼻つまみ者の弟を軸に、家族の絆とは、人生とは、別れとはと問いかけながら、決して希望を忘れない山田洋二監督のおもいが鮮烈に伝わってくる映画でした。

上映後、偶然同じ映画を観ていた友人と会い、少しの時間、老いた親たちのことなどを話してきました。

北広島に住んでいる母の顔をしばらく見にいっていないなあ――などと思いながら、ラッシュ時を迎えた南郷通を帰ってきました。

失業者は増え続け、格差や貧困はさらに広がり、家族の基盤も崩されかねないこのごろ、「自公政権時代の構造改革の傷跡」の深さに、思いはたどり着きます。

(3月3日記)

「清田区新聞」10年03月07日付より