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群馬県渋川市の高齢者施設「たまゆら」の火災で10人の男女が死亡しました。
施設は増築につぐ増築で迷路のような状況だったよう。近隣に住む人たちも、いつか事故が起きるのではないかと心配していたそうです。
死亡した10人のうち6人が東京都墨田区の生活保護受給者で、当日は15人が入居していました。
東京から埼玉県を越えて、さらに北の群馬県の県庁所在地前橋の近隣にある渋川市。なぜそんな遠くの、しかも無届けの施設に入居しなければならなかったのでしょうか?
墨田区の生活保護受給者のうち都外の施設に入居しているのは196人。「たまゆら」のような無届け施設入居者は91人いるといいます。
東京都内では低所得者向けの高齢者施設に空きがないのが実情なのです。同じような無届けの老人施設は全国で300を超え、社会保障の貧しさを露呈しています。
「トイレの介助も遠慮」という中で「三食食べられるからいいか」との思いで暮らしていたのでしょうか。亡くなったお年寄りがお気の毒です。
高齢期を迎え、たどり着いた終の棲家でおきた火災での惨事。命を軽んじる政治が原因だといえないでしょうか。
(3月24日記)
「清田区新聞」09年03月29日付より